第31回の国際交流の様子

「とうかい号」がこれまでに展開してきた国際交流事業は、民間外交の一翼を担うという、大変重要な趣旨目的と素晴らしい価値観のもと、力強く推進されてきました。しかし、現在私たちを取り巻く社会環境はどうでしょうか。自らが興味のある国に訪れる事も容易でありますし、世界各国の情報は情報伝達機能の進化により、リアルタイムで受発信できる社会にまで発展してきています。社会情勢の目まぐるしい発展によって、今後の国際交流の意義をどこに見出していくのかということを見直さなければならない時期にあるのではないかと感じています。

 

「とうかい号」では長年にわたり、海外の青年との交流を深めるため、その寄港地先から招聘してきました。しかしながらその年その年の「とうかい号」事業の検証に、招聘された国際青年の皆さんの参画は得られていないのが現状です。そしてその参加は非常に難しい状況と言っても良いでしょう。「とうかい号」下船後、日本の乗船者と国際代表青年の国を越えた交流がなされているかを検証しましたが、ごく一部を除いてほとんどが手紙・メールのやり取りさえもままならないのが現状でした。

そこで第32回JC青年の船「とうかい号」では、国際招聘青年の選考基準を見直し、“下船後”も国を越えた末永い交流を続けて頂けるような試みとして、日本国内(東海地区在住)の外国籍を持つ青年を「国際代表青年」と位置づけ、「とうかい号」への乗船募集を行いたいと思います。

海外からの招聘ではなく、東海地区在住の外国籍を持った方(在住期間6ヶ月以上)を16名、各ブロック協議会エリアから募るこの手法を選択した際、「とうかい号」事業の認知度を上げるのに東海地区内で追い風になる可能性を秘めていると思いますし、ご紹介頂いた各ブロック協議会におかれましても、後の交流にもつながる予感さえあります。また、各地域からご輩出いただく国際青年の皆様であれば、帰港後も在住地区をベースに今後も末永く国際交流の可能性を広げていけますし、更なる国際交流の無限の可能性を身近で感じて頂ける事業につながると確信しています。

以上、寄港地を国内に選定した際につきまして、今まで同様、「国際交流」を遂行できると思います。
そして、第32回JC青年の船「とうかい号」では、国内外の青年が、日本をベースに大自然の神秘さ・壮大さが力強く息づく“屋久島”の地にて寄港地研修活動を行うことにより、国籍を超えた人と人との触れ合い、文化の違いを超越した、より進化した「国際交流」を目指したいと考えています。

 

“いのち”の尊さにさえも無関心と感じられる昨今、私たちは、明るい社会を創造する責任のもてる各地青年会議所の会員として、この「とうかい号」事業を通し、今後、次代を担っていただきたい若い青年たちに“自然・地球を大切にする心”、“遥かなる大地に生かされていること”を伝えたい!

国籍を越えた仲間同士が共に感じ、考える事で、この共通の価値観を育んでほしいと思います。

 

最後に、私たちはどこから来て、どこへ行こうとしているのか。私たちにとって何故、“自然”・“地球”が大切なのかという考え方をしっかりと確立できる「とうかい号」でありたいと思います。そして、この寄港地研修活動が第32回JC青年の船「とうかい号」の一つの柱と位置付けしたいと思っています。

(C)2005 THE 32nd YOUTH VOYAGE Toukaigou. All rights reserved.