――以来、31回にわたり14,000名もの一般乗船者とともに感動を共有してきた「とうかい号」は、国際交流・洋上研修を二本の柱として航海を継続してまいりました。これまでの永い歴史の積み重ねの中で、アジア諸国を主眼としたフィリピン・中国・台湾や韓国へのネットワークは成熟し、前船(第31船)ではアジアからグアム(米国)に視野を拡大されました。その功績は事業内容の一部をとってみても絶賛に値する、とてもすばらしい航海となったと思います。

そこで、第32回JC青年の船「とうかい号」では、アジアの中の日本という視点とともに、第31船の考えを継承した世界を含めた広い視野でアジア、そして日本を考えるにふさわしい渡航先として日本の誇る“世界遺産”屋久島を提案したいと思います。

私たちは“人間”として生まれ、「地球」という大きな母体によって育まれています。その地球には私たちと常に“自然”が共存し、多種の草・木や動物が生息しています。現在もなお、絶え間ない進化によって存在しており、それは地球上に生きるものすべて「自然の叡智」(すべてのいのちが地球上で共に生きるための知恵と技)なのだと思います。

私たちはそんな“いのち”のつながりを大切に、生きものすべてに愛情を持ち、この地球を次世代へつなげていかなくてはと思います。そんな気持ちは世界中にも必ずつながると思いますし、それが地球上に生息する“生きもの”としての使命だと思います。


1993年(平成5年)、日本で初めて世界遺産に登録された屋久島は、樹齢7,200年といわれる縄文杉をはじめとする屋久杉(=樹齢1,000年以上を称して)でも有名な自然の島です。 この島は日本で7番目に大きな島ですが、日本の面積の1,000分の1(東京23区ほど)しかありません。車で島を一周すると概ね2時間位の小さな島には、九州最高峰の宮之浦岳(1,935m)をはじめ九州の高峰の上位7位までがこの島に集中しており、「洋上のアルプス」とも呼ばれています。 合わせて、この地形がおりなす気候には、実に亜熱帯から亜寒帯までが含まれ、九州から北海道の気候がこの島で見られる「東洋のガラパゴス」とも呼ばれる魅力あふれる寄港地です。

第32回JC青年の船「とうかい号」では、そんな日本の誇る“世界遺産”を、日本(東海地区内)在住の外国籍を持つ国際青年の皆さんと共に訪れ、感性を磨き上げ、そして日本をベースにした効果的な寄港地“研修”活動を行い、共に感じたことを分かち合う!そんな国際交流にしたいと思っています。

そして「とうかい号」をフィールドに、若い世代の仲間同士が「大自然の息づき」の素晴らしさを共に体感し、共に育んでいける“次世代のかたち”へとつなげるため、みんなと大いに語り合いたいと思います。

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